代表的なVIXストラテジー CVR3
2015/12/06
前回 Larry Connors ラリー・コナーズ氏(ローレンス・A・コナーズ)考案のVIXを使った売買手法のひとつ、CVR1を取り上げました。
ラリー・コナーズのCVR1 VIXを使ったS&P売買シグナル
今日は、全部で10あるというコナーズ氏のVIXストラテジーのうち、最もポピュラーと思われるCVR3の手順を確認します。
(ここに上げていないストラテジーは、コナーズ氏の著書「コナーズの短期売買入門」「コナーズの短期売買実践」に出ていますが、ネット上に無料で公開されているものだけを取り上げています)
コナーズ氏とDave Landry氏(デイブ・ランドリー)の共同開発であるこのCVR3は、VIXの動きからS&Pの売買ポイントを探る手法の中でも、良く知られたストラテジーです。点灯時には個人投資家のソーシャルネット等にたくさんポストされます。
デイブ・ランドリー氏は、この本の人です。
CVR3を解説したページはあちこちにたくさんありますが、StockChart.com の
が分かりやすいと思います。
売買ルールは
買いシグナルの場合
1. The daily low is above its 10-day moving average. This means the entire bar or candlestick must be above the 10-day moving average.
1.その日のVIXの安値が10日移動平均よりも高い
2. The daily close is at least 10% above its 10-day moving average.
2.その日のVIXの終値が10日移動平均よりも10%以上高い
3. The close is below the open.
3.その日のVIXが陰線
この3点が揃った時です。
このシグナルを使うとどうなるのか。今年2015年のチャートで振り返ってみます。
ローソクはVIXで緑が陽線、赤が陰線、黄色のラインが10MAです。
1月に立て続けに2回来ます。まとめて
InteractiveBrokersTWS 緑陽線 赤陰線 黄色10MA
白丸で囲んだ陰線の日のクローズでS&Pを買う(時間外使って終値と同値で買えたとしてください)場合、どのへんで買うことになるのか…
こうです。
白のラインチャートがS&Pです。水色の縦線との交点が買いポイントになります。
InteractiveBrokersTWS 緑陽線 赤陰線 白ラインチャートSP
CVR3にもCVR1と同様S&P売りシグナルがあります。
ルールは買いの逆です。
1. The high of the VIX is below the 10-day moving average.
1.その日のVIXの高値が10日移動平均よりも低い
2. The daily close is at least 10% below the 10-day moving average.
2.その日のVIXの終値が10日移動平均よりも10%以上低い
3. The close is above the open.
3.その日のVIXが陽線
見てみます。
このシグナルが2015年に入って初めて点灯したのは7月17日でした。
InteractiveBrokersTWS 緑陽線 赤陰線
S&Pを売ったのは、ここです。
白のS&Pラインチャートと紫の縦線の交わるところが売りポイントです。
InteractiveBrokersTWS
では、2015年1月からのシグナルタイミングをピックアップします。
ローソクがVIX、白のラインチャートがS&Pで、
水色の縦線と白ラインチャートがクロスするところがS&P買いシグナル
紫の縦線と白ラインチャートがクロスするところがS&P売りシグナル
です。
(7/27は始値と終値が同じ15.6ですがシグナル点灯としました。)
8月VIXスパイク以降
InteractiveBrokersTWS
CVR1よりもシグナルの発生頻度は低く、成功率は上がっているようです。
記事にはイグジットについて、コナーズ、ランドリー両氏の考えが出ています。
On long positions, a stop-loss would be triggered when the VIX moves below the prior day's 10-day moving average (on an intraday basis).
「買いポジでは、VIXが前日の10MAの下にもぐったら 手仕舞いせよ」
Short positions would be closed when the VIX moves above the prior day's 10-day moving average.
「売りポジでは、VIXが前日の10MAの上に出たら手仕舞いせよ」
というものです。
Alternatively, Connors and Landry suggest that traders could exit within two to four days.
「トレードは2~4日で抜けるのがよい」
とも。
サイトではパラボリックの使用を推奨してます。
Chartists can also consider apply a stop-loss directly to the S&P 500 by using the Parabolic SAR.
パラボリックを使ってS&Pにダイレクトにストップを置くことも検討してください。
以上が、有名逆張り指標CVR3の概要です。
最後に、コナーズ氏が様々な場で
「VIXは動的なもの。何ポイント以下なら買い、何ポイント以上で売りといった使い方ではなく、その動きを見て判断するのが良い」
と繰り返し述べていることを、付け加えておきます。
以下は実践にあたっての余談的な話です。
「MAの10%とか計算するの面倒だろ」
という場合は、ここ 「エクセルでテクニカル分析/バックテスト」 から
心の中で手を合わせつつ移動平均線計算エクセルシートをもらってください。
「エクセル嫌いだし」
という場合は、ここ「StockCharts.com-Free Charts」を見てください。
10MAとPPOがセットされた、CVR3を見るためのチャートが出るページが用意されているので。
下のPPOが+10、-10をはみ出したらローソクをチェックです。
これは今日参照しているStockCharts.comのチャートですが、他の銘柄ももちろん見られます。
たとえばアップルなら、左上の「Symbol」に「AAPL」と入れて
StockCharts.com
「週足、BB、RSI、MACDで何故かRSIをチャートの上、MACDを下に置きたい」なら
下の「Chart Attributes」を
StockCharts.com
こんな感じにお好みで設定して、下の「Update」を押すと
これが見られます。
本エントリーで最も重要な点は、アップルはAPPLではなくAAPLだってことです(違う)