用語集的なもの

【OVX】原油のVIX

2016/01/24

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OVXは2008年に誕生した原油版VIX


OVX
は、今後30日間の原油価格のボラティリティを予測するもので、VIX指数の原油版です。原油のETFであるUSO(United States Oil Fund)のオプション価格から算出されています。
2008年7月のCBOEプレスリリース

CBOEがこの指数をアナウンスしはじめたのは、2008年7月15日ですが、USOのオプションが出来た2007年5月からの値が計算、公開されています。

OVXとUSO全期間room5110
VIXとS&Pのようには、綺麗に逆相関しません。
2007年5月から2009年半ば頃まで平行線引いちゃってるし。
それ以降は、OVXのピーク=USOの底っぽくなってはいますが…

大きく動いてる箇所を拡大してみると

四角で囲った3箇所を拡大して見てみることにします。

OVXとUSO全期枠room5110

まず緑の2007年6月1日から2009年9月30日

OVXとUSO_20070601_20090930room5110

相関係数 -0.40018
価格とインプライド・ボラティリティが一緒に上昇するのは、あり得ないことではないですが、ここまで長く続くのは、S&PとVIXではちょっと見たことがありません。
この時、原油(のETF)のコールが買われまくっていたものと思われます。これはこれで重要な情報なので、オプションの建玉を見なくても見当がつくという意味では、やはり有用なものなのでしょう。

ここでは、OVXにかなり遅れてUSO価格がついて行く格好になっていて、ずっとこのままならこの上なく便利な指数なのですが…

次、赤枠の2011年6月1日から2012年5月31日を見てみると…

OVXとUSO_2011年6月1日から2012年5月31日room5110

相関係数 -0.74008
この期間は逆相関してます。これなら投資指標として使えそうな雰囲気です。
2012年に入ってからは、少しずつハッキリしないチャートになってはいますが、まずまずです。

最後、オレンジ枠の2014年11月3日から現在(2015年11月20日)は、

OVXとUSO_2014年11月3日から2015年11月20日room5110

相関係数 -0.37604
いいときとダメなときが…
OVXがVIXのように綺麗なピークを作らなくなっているので、どうにも判断をつけにくい状況が続いています。

まとめ

OVXは、天底や上げ下げを当てるというよりも「OVXが上昇したら原油のポジションを縮小し、下落したらポジションを増やす」など、原油市場の安定度を測る指標として使うのに適しているのかもしれません。

いずれにしろまだデータが少ないので、これから何かが変わる可能性もあるかと思います。

ところで、

OVXチャートですが、これも見覚えのある形ですよね。

OVX_2007年5月10日から2015年11月20日room5110


これです。
OVXとVIX_2007年5月10日から2015年11月20日room5110

相関係数 0.81153
結局VIXと同じ動きでしたっていう…

てことで今日の付録チャートは

OVXとS&Pです

OVXとS&P_2007年5月10日から2015年11月20日room5110

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