XIV(2049)をトレードする方に必ず知っておいてほしいこと
2015/12/06
XIV(日本では2049 VIXインバースETN)は、株と同じように取引が出来、信用取引や先物を使わなくてもボラティリティの売りポジションの取れる、とても便利な商品です。
前回はXIV(2049)の価格決定要因について確認し、XIVの2004年以降の値動きを見ました。
XIV(2049)をめぐる増価と減価 増えてんのか減ってんのかハッキリしろ
2004年から現在(2015年10月20日)までで、14.6倍に成長した実績もまた、目覚しいものと思います。
ですがXIVには、大いに注意してもらいたい点があります。
(2049も同じです)
このETNには、前日比20%以下の価格になったら(=1日に80%以上価格が下がったら)償還されるという期限前償還条件が設定されています。
長くて読む気がまったく起きないのですが、
クレディスイスの言う「ETNs-Acceleration」これが早期償還です。
いわゆる即死条項のことです。
Acceleration at Our Option or Upon Acceleration Event
のとこに
We will have the right to accelerate the ETNs
ワテらにはETNを早期償還する権利があるで
とあり
その下の Acceleration Event で
if the Intraday Indicative Value is equal to or less than 20% of the prior day's Closing Indicative Value.
ザラ場中にETN価格が前日終値(※)の20%以下になったらな
と言ってます。
で、もしそうなった場合には、
upon acceleration you will receive a cash payment in an amount (the “Accelerated Redemption Amount”) equal to the Closing Indicative Value on the Accelerated Valuation Date.
あんたはんには、ETNの早期償還が起きた日の終値(※)を支払うで
だそうです。
※ 終値と書いてますが、正確にはClosing Indicative Valueです。
これはETNの価格からインベスターフィーを引いたもので、インベスターフィーは、XIVの場合年率0.0135%です。
前日の20%以下の価格になったらETNが終了して、その日の引けのプライス(マイナス インベスターフィー)分返金されるってことです。
実は私はこのXIVを買ったことがないのです。
ボラティリティをショートする場合には、いつも大体VXXのプットを買ってます。
ETNで持つならXIVではなく値動きの同じSVXYにしてます(SVXYにはオプションがあるので)
この話は、いずれまた
なので、このアクセラレーション問題についてもよく知らないです。
この件では、ご質問いただいてもほとんどお答えできないと思います。
とても不充分な情報しか書けないのですが、もしXIVについて
「最悪でも1セントになるだけ。我慢して持ってればまた上がるから買いっぱなしで放っておけばいい」
と思う人がいたらちょっとまずいなーと思って、こういう終了要件がありますよってことだけお伝えしている次第です。
(何日もかけて1セントになったなら終了はしません。あくまで前日クローズから80%下げちゃった場合の話です)
また、クレディ・スイスの目論見書は、XIV単独のものではなく、
XIV、ZIV(VIX中期インバース)、VIIX(VIX短期)、VIIZ(VIX中期)、TVIX(VIX短期2倍)、TVZ(VIX中期2倍)に関する文書です。
XIV以外の銘柄にも、同じ条件があてはまりますが、その性質上、1日で80%下がる可能性はXIVに比べてとても低いので、特に「XIVを買う方へ」とお話しました。
個別株でも不祥事発覚で暴落だとか、上場廃止で株券紙屑化だとか、いつでもどこでもあり得ることです。
突然の出来事で投資資金を失う可能性があるのはなにもXIVに限ったことではなく、この償還条件を過度に恐れるのもナンセンスなことでしょう。
でも、
これを知らずに取引するのと、頭の片隅にでも注意事項として置いてあるのとでは、やはりリスクは違うと思うので。
2049 NEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN でも同様のルールになっています。
野村のNEXT NOTES S&P500 VIX インバースETN商品概要
下のほうに
期限前償還に関する留意点
S&P500 VIX短期先物インバース日次指数(終値を含むすべての値)が前日終値の20%に相当するまたはこれを下回った場合、早期償還額の支払をすることにより、 本ETN/JDRの信託財産である外国指標連動証券は償還されます。早期償還額は、計算代理人によって必要諸経費を差し引いた金額が商業上合理的な方法で 計算されます。
と書かれています。
2049がその時具体的にどうなるのか、これも私にはお答えできません。
不安な方は遠慮せず野村に聞くのが一番かと思います。
「XIV(2049)は、VIXがどれだけ上がったら償還条件に引っかかるのか」を書いた記事は今、リライト中で非表示にしています。
「VIXいくつでXIV終了か」は、とても重要な情報だと思うのでそこだけ書いておきます。
過去データからYpafi.comのフレッド・ピアード氏Fred Piard が算出した数値では
VIXが前日終値比+134%以上でXIVは80%下落となり期限前償還
とのことでした。
1987年ブラック・マンデーの時に前日比+319%を記録していて
当時XIVが存在していたら問答無用。償還額ゼロ。というケースがありました。
参考 有価証券届出書 2049については209ページから