VIXラボ

アメリカ大統領選とVIX

2017/01/07

2016/11/14 この記事は、大統領選本選挙前後のVIX指数の話です。
選挙後の株価については、こちらをどうぞ
新大統領ハネムーン期間のVIXとSP500

アメリカ大統領選が近づいています。

アメリカの大統領選は、夏季オリンピック開催年の11月の初旬、第一月曜日の翌日(2日から8日の間の火曜日ってことです)に一般投票、開票と決まっていて、今年は11月8日がその日に当たります。

トランプかヒラリーか。予想はあちこちでされていますが、うちでやることと言ったら決まっています。いつも通り、過去の大統領選においてVIX指数がどうふるまったのかを振り返ってみます。

前回2012年の選挙から順にさかのぼる形で1992年まで、本選挙をはさむ9月初めから11月の終わりまでのVIXの動きをチャートにしました。すべて終値です。
縦線が一般投票の投開票日です。民主党勝利選挙は青、共和党勝利選挙は赤で縦線を入れています。

開票は投票日のうちに実施されますが、結果が判明するのは市場がクローズしてからになります。選挙の結果を知っての相場は、投票日の翌日からです。

Contents

過去6回の大統領選前後のVIX指数

2012年 オバマ(民)-ロムニー(共)選挙

一般投票 11月6日 オバマ勝利
投票日のVIX終値 17.58
投票翌日のVIX終値 19.08

選挙概要(Wikipedia)

presidential_election_vix20012

のっけからなんとも微妙なチャートに…

でも、他の選挙年のチャートと併せて見ると、投票日が近づいてくる期間のVIXは、上昇ないし高止まり傾向。投票が済んで結果が出ると下降する、というパターンがあるようです。
イベントの前後によくある動き方を、ゆるやかにした感じです。

続けて見て行きましょう。

2008年 オバマ(民)-マケイン(共)選挙

一般投票 11月4日 オバマ勝利
投票日のVIX終値 47.73
投票翌日のVIX終値 54.56

選挙概要(Wikipedia)

presidential_election_vix2008

数値が異常に高いのは、リーマンショックとかぶっているからです。
大混乱の真っ只中なので、この時のチャートは、果たしてどれくらい大統領選と関係しているのか…。

リーマンブラザーズ破綻の後、VIXは、史上最高値の89.53(10月24日)をつけてから一旦50を割り込むところまで下がって、もう一度終値ベースの史上最高値80.86(11月20日)まで上がります。

このふたつの山があるのが、リーマン後のVIXチャートの特徴なのですが、頂点と頂点の間の谷底になったのは、本選の投票日、オバマが大統領に選ばれたその日だったのですね。

2004年 ケリー(民)-ブッシュ(共)選挙

一般投票 11月2日 ブッシュ勝利
投票日のVIX終値 16.18
投票翌日のVIX終値 14.04

選挙概要(Wikipedia)

presidential_election_vix2004

この時は、投票結果を受けてキレイに下がりました。イベント前に上がってイベント通過で下がる、安心感のある動きです。

2000年 ゴア(民)-ブッシュ(共)選挙

一般投票 11月7日 ブッシュ勝利
投票日のVIX終値 24.91
投票翌日のVIX終値 25.66

選挙概要(Wikipedia)

presidential_election_vix2000

ドットコムバブル崩壊の煽りを受けて、アメリカだけでなく世界の株価がマズい状況になっていく頃です。

この時の選挙は歴史的な大接戦だったようですが、VIX指数は、大統領選とはあまり関係なく動いているように見えます。

1996年 クリントン(民)-ドール(共)選挙

一般投票 11月5日 クリントン勝利
投票日のVIX終値 17.65
投票翌日のVIX終値 16.97

選挙概要(Wikipedia)

presidential_election_vix1996

2004年ほどではないですが、投票日の前に上がったVIXが結果を知って下がるパターンに近いチャートです。

1992年 クリントン(民)-ブッシュ(共)選挙

一般投票 11月3日 クリントン勝利
投票日のVIX終値 17.33
投票翌日のVIX終値 16.28

選挙概要(Wikipedia)

presidential_election_vix1992

この年の9月16日に「ポンド危機」と呼ばれるポンド急落がありました。ジョージ・ソロスが英国中央銀行に勝負を仕掛けて勝った、というあの事件です。ソロスって何歳なの?…ぐぐってみると1930年生まれなんですね。この時62歳か。

このポンド危機のため、チャートの形は変わっていますが、投票日が高く、その後下がるというスタイルは一応維持してします。
とはいえ、直前に大きな出来事があったケースでは、しばらく相場は安定しないのが普通なので、11月3日のVIXの小さなピークは、必ずしも選挙がらみではないかもしれません。

大統領選とVIX指数

前回2012年から1992年まで、6回の大統領選前後のVIXの動きを見てきました。

大統領選は、非常に大きなイベントではありますが、4年に一度は必ずあるものと決まっていることや、頻繁な支持率の調査等で選挙の結果がある程度予想できることから、開票でVIX急騰とはなりにくいようです。
「びっくりするからVIX指数」この、びっくり度がそれほど高くないのです。
アメリカ大統領を選ぶ選挙で、開票したら全世界が仰天!と、こんなことが毎回起きていたらえらいことですし。

本選挙に向けてVIX上昇、結果が分かって下落という流れも、「多少そういう傾向があるね」くらいで、取り立てて言うほど目立ったものではありません。
元々、9月10月頃は相場が荒れ模様になりやすいので、その余波を引きずったまま選挙を迎えて、大統領選という一大イベント終了で落ち着く、というふうにも取れます。…少なくともこれまでは。

異色の候補が立っていて、その候補の人気が偉い人らの予想よりずっと高い今度の選挙は、今までと同じようには行かないかもしれません。利上げという問題が、いまだに横たわったままになっていて、ただでさえ相場はセンシティブになっているところです。

選挙前はVXSTに、選挙後はVXMTに注目して行くつもりです。

付録 大統領選今後の主な予定

9/26(月)   第1回大統領候補TV討論
10/4(火)   副大統領候補TV討論
10/9(日)   第2回大統領候補TV討論
10/19(水) 第3回大統領候補TV討論

11/8(火)    本選挙一般投票
1/20(金)  大統領就任式(この日は全米休日 取引市場はやってます)

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