VIXトレーダーなら底値で買える!究極の逆張り手法
2016/06/15
VIXを相場予測に使う方法として、最もよく語られるのが「VIX指数がピークアウトした時に株を買え」という手法だと思います。
でもそれって、いつ何を持ってピークアウトと判断するのさって言う…
そこで海外記事で見つけた手法を紹介します。
さすがに頂点では買えませんがピークアウト直後には買える方法です。
タイトル Volatility rises (and falls) - $VIX
Lawrence G. McMillan ローレンス・G・マクミラン氏の記事です。
こちらのNews Letterを出してる人です。The Option Strategist
日本からも購読可能だと思います。興味のある人はリンク先に行ってみてください。
やり方簡単です。
売買ルールは
1) $VIX must be in a “spiking mode,” meaning it’s risen by 3.00 or more points over a 1-, 2-, or 3-day period (measured using closing prices).
2) once $VIX is “spiking,” we keep track of the highest intraday price reached.
3) a buy signal occurs when $VIX closes more than 3.00 points below that intraday high.
1.VIX指数が3営業日以内に終値で3.0ポイント以上上昇したらスパイク認定
2.スパイクモード中は毎日VIXの最高値をチェック
3.スパイクモード中最高値から3.0ポイント以上下げて引けたらS&P買いシグナル点灯
エントリーはこれだけです。
イグジットは
The signal is good for 22 trading days, or it is stopped out if $VIX closes back above that intraday high .
・シグナル点灯から22営業日が経過した時
・VIXが再上昇して終値で先の最高値を上回った時
です。
記事にはちょうどこの時$VIX “spike peak” buy signal が出ていると書かれているので、この後どうなったのか見てみましょう。
まず、6月30日にVIXが19.8に上がってスパイクモードに入ります。
ギリシャの時ですね。
ここで19.8の3ポイント下、16.8以下になるのを待つのですが、このケースでは翌営業日の7月1日に16.09で引けたので買いシグナル点灯です。
S&P先物の終値は2077.42でした。
(先物はアフターアワーズで引け値と同値で買えたものとします)
その後VIXがまた上がり始めて7月9日に終値19.97をつけてしまいます。
S&P先物2041.25でロスカットに…
InteractiveBrokers証券チャート
ローソクVIX ラインS&P
ローソクは緑が陽線、赤が陰線です
ま、まあこういうこともあります。
その次、この8月からのVIX大吹きのとこ行ってみましょう。
8月20日、VIXは前日の15.25から19.14に上がってスパイクモードに入ります。
8月24日寄付き直後に53.29をつけ、これがこのスパイクの最高値になりました。
翌8月25日は36.02で引けてここで買いシグナル点灯です。
1872.75でS&Pを買って、22営業日後の9月25日に1919.25で売りました。
InteractiveBrokers証券チャート
ローソクVIX ラインS&P
今度は儲かりました。
ちょうど22日経つ頃にVIXがまた上がり始めてダブルループ気味になったりで、抜けるタイミングが悪かったですが、この下落の底値は8月24日の1871.25なので、1872.75で買えたら上々じゃないかと思います。
イグジットはある程度裁量で、ほどほどに取れたら逃げるようにしたほうがいいかもしれないですね。
センスのある方なら特に(私にはない)
実はこれまだ続きがあります。
9月25日に22日ルールで売ったその翌営業日、9月28日にVIXが再び23.62→28.33と、3.0ポイント以上の上昇を見せて、またスパイク認定が出てます。
次に28.33から3.0ポイント下がったのは9月30日でした。
ここでS&Pを1908.75で買って、まだイグジット条件に合致していないのでそのままHOLD中です。
今度もスパイク時の底値1872.00からそれほど離れずに買うことができました。
(昨日9月15日のS&P終値は2003.75でした。ここまで上がっていればトレイリングストップでまず大丈夫でしょう)
「過ぎ去ったチャートで見てるからこんなとこで買えるけど、実際に荒れてる最中には怖くて手が出ないんじゃ…」と危惧されているかもしれません。
それは全然心配ないです。
VIXトレーダーにとっては。
S&P買いのシグナルが出るのは、意外に早いタイミングです。
この時、VIXトレーダーならVXXを持っている可能性が高いです。
ここではVIXを中心に話を進めますが、このシグナルで株を買いに出るのはVXXを持ってる時だけとしてもいいと思います。
VIXが大きく上がると、VXXはVIXのピークアウト後もしばらく上がり続けることが多いので、一時的にS&PとVXXの両方を買い持ちにしてのんびり相場を眺めていればいいわけです。
現実にはそううまく行かないこともあるかと思いますが、シンプルで分かりやすいのにしっかり下落の底を狙える良い戦略だと思います。
2015/10/28 追記
VIXを使ったS&P売買シグナル ラリー・コナーズのCVR1 をupしました。
CVR1で2015年1月からシグナルポイントをチェックしたのに合わせて、本稿マクミランモデルも同様に1月からの買いシグナル発生タイミングをピックアップしました。
縦線がS&P買いシグナルの出た日です。
結局1月以降では、上で流れを追ったギリシャあれやこれやの時以前は1月の終わりに相場がぐちゃぐちゃと上下したところしかシグナルは出ていませんでしたが、その1月は成功してます。下の「2015年1月~」チャートの一番左の縦線がそれです。
2015/11/4追記
前述の9/30買いのケースについて、
うっかりしてる間に22営業日過ぎてました。(おい)
9/30に1908.75で買ったS&P先物は、そのまま
・VIXが再上昇して終値で先の最高値を上回った時
というイグジット条件に引っかからず、もうひとつの
・シグナル点灯から22営業日が経過した時
まで持つことになりました。
22営業日後の10月30日(金)のS&P先物の終値は2073.75なので、165ドル(8.64%)とれたことになります。
指数の8%なら納得のリターンだと思いますが、どうでしょう?