VIXラボ

リーマン・ショックの翌日にXIVを買っていたら-VIXを通して振り返る歴史的暴落(2)

2017/02/13

そんな日に買わねぇよ。
って、まあそうおっしゃらずに。

これら↓と同じように、XIVを買った場合についても見てみましょう。

リーマンショックの翌日に1552を買っていたら~国際のETF VIX短期先物指数上場日のセミナー動画

VIXを通して振り返る歴史的暴落-リーマン・ショックの1年前にVXX(1552)を買っていたら

Contents

リーマン・ショック時(2008年9月15日)のXIV理論値

XIVが上場したのは2010年11月なので、上場以前の価格はVIX先物から算出した理論値を使います。

リーマン破綻の報を受けた2008年9月15日、XIVの理論上の終値は7.86ドルでした。
チャートで見てみましょう。
9月15日は、矢印の箇所です。

2008年の恐怖指数とXIV

 

2008年9月15日買のXIVはいつ助かるのか

この日に買ったらマズいのは、最初から分かっています。
でも同時に、この日に買ってもいずれ助かることも分かっています。

XIVの全期間理論値チャートはこうだからです。

全期間理論値XIV

ここで問題になるのは、いつ助かるかです。
この後のチャートを見てみましょう。
横線が買い値の7.86ドルです。

2008年9月から2010年12月のの恐怖指数とXIV

ずいぶん長い旅になりました。

XIVが終値で買い値の7.86を超えるのは、2010年4月5日です。
この日XIVは8.09で引けます。2008年9月15日から実に390営業日後でした。

でもよく見るとXIVは、ここで一度はリーマンショック時の価格を上回りますが、ユーロ危機に耐え切れず、すぐにまたそこを割り込み、大きく下げてしまいます。

これはあくまで理論値であり、その理論値が最大で4月23日の8.85ですから、実際の相場ではこの時XIVが買い値を超えられるとは言い切れません。インベスター・フィーもかかります。

5月にはフラッシュ・クラッシュも起こり、XIVの買い値(7.86)より上への再浮上は、2010年10月8日まで待たなければなりません。
2008年9月15日からこの日までに、521営業日が経過しています。カレンダー日では2年以上になります。

リーマンショック後のXIVはいつ底値をつけたのか

ならばいつ買うのがベストだったのかを調べます。

この期間のXIVの理論上の最安値は、2008年11月20日の1.72です。
2008年11月20日と言えばVIX指数が終値で史上最高値を記録した日なので、ここはXIVが素直に動いたケースでした。

どうしたら底値で買えたのか

「シックス・センスで」おいコラ待て。

それ以外私には無理です。特にVIXのピークとXIVの底がぴったり一致している場合には無理です。コンタンゴ率や各ボラティリティ指数のレシオを使っても、「今この時がVIXのピーク!」とか、そんな当て方は出来ません。

私個人は、5つのストラテジーを使って、資金を5分割して売買していますが、そのどれを持ってしても、11月20日の1.72で買うことは出来ません。(ここの過去記事でバックテストしたストラテジーをそのまま使っているものはありません。プレミアム率、VIX/VXVレシオをベースにはしたストラテジーはありますが、それぞれにあるフィルターを加えています。他にはHVを用いるものなど)

世界は広いので、まったく別なアプローチでVIXのピークが見えるという人はいるかもしれませんが、見聞きしたことはありませんし、あったとしても再現性のある方法かどうか…

そこで、底値の出来るだけ近くで買うにはどうすれば良かったのかを探ってみます。

底値を付けた日、VIXとVIX先物はどんな形だったのか

前述のとおりこの2008年11月20日は、VIX終値の史上最高値でもあります。

ちょうどいい機会なので、この日のVIXがどんな形だったのか、いつも見ている指数から確認してみましょう。

まずVIX終値は、80.86です。
VIX先物第一限月が66.4、第二限月59.52で、10.36%のバックワーデーション、先物と直物のディスカウントは17.88%でした。
VXVは69.24だったので、VIX/VXVレシオは、1.17になります。

コンタンゴ/バックワーデーションで見ると

この10.36%のバックワーデーションが、コンタンゴに戻るのは12月22日です。
この日のXIV終値は、2.27でした。

リーマンショック前後のコンタンゴ率新チャート

先物プレミアム/ディスカウントで見ると

17.88%だったディスカウントがプレミアムになるのは12月12日で、XIVは1.93でクローズしました。

リーマンショック前後の恐怖指数先物プレミアム率新チャート

VIX/VXVレシオで見ると

VIX/VXVレシオが1.0を割るのは12月10日でした。この日のXIV終値は1.92です。

リーマンショック前後のVIXVXVレシオ新チャート

2008年11月から12月のチャート

2008年11月12月の恐怖指数とXIV

 

付録 リーマンショックの1年前にXIVを買っていたら

2007年9月14日(15日は土曜です)、XIVの理論上の終値は9.02でした。このすぐ後に11.77(10月9日)まで上がる場面もありますが、そこで売らずに持ち続けてリーマンショックを迎えたとすると、終値9.03をつける2010年10月20日まで焦げ付くことになります。

2007年1月から2010年12月までの恐怖指数とXIV

でも、チャートを見ると分かるように、リーマンショック前の1年間は、XIVの値はそれほど大きく変わっていません。
もっと大変なのは2007年の2月に買ってしまった場合です。

上海が暴落した時です。

ここ (2004年以降のXIV年間チャート12枚 )に作ってある2004年以降のXIVの1年ごとの年間チャートを1枚目から追って行くと、XIVは元々ボラタイルな銘柄ではあるものの基本的には右肩上がりになる年が多いのが分かります。

でもその中に、どうにも上がれない年があります。2007年がそうです。その後2008年にはリーマンショックが起きました。

後のことを知った上で振り返るチャートは簡単に見えるものです。過ぎたチャートから見える「予告」は、実際にはある程度「記憶」でしょう。

でも、2007年のXIV(あるいはVXX)チャートはある意味、VIXよりも明確に相場の雲行きを示唆しているように思えます。

今はどうでしょう?2015年や14年のチャートは…

VIX指数 全期間(1990~)の年間チャート27枚
2004年以降のVXX年間チャート13枚
2004年以降のXIV年間チャート13枚

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