先物プレミアムと先物ディスカウント
先物が直物(ここではVIX指数)よりも高い状態を先物プレミアム、先物が直物よりも低い状態を先物ディスカウントと呼びます。
先物プレミアムは、市場参加者の「これから直物が上がる」との予想を示しているものですが、下方硬直性のあるVIX指数では、「これから上がる」と考えるのは「今のVIX指数は充分に低い」と判断していることでもあり、平穏の証と言えます。
VIX指数がスパイクすると両者の位置関係は逆転し、先物ディスカウントになります。
よって
となります。
実際のケースで確認します。
コンタンゴとバックワーデーションの解説に使ったのと同じ日で見てみることにします。
まず、VIXがリーマンショック以降の終値最低値をつけた2014年7月3日のVIX先物各限月の値はこうでした。
こ日のVIXの終値は10.32を上のグラフに描き加えるとこうなります。
赤がVIX指数です。
room5110
天下泰平の夢をむさぼってますね。平和です。
続いてVIX終値が史上最高値を記録した2008年11月20日はと言うと
通常、ほとんどの期間でVIXは先物の下にいるのですが、これは…
VIXのほうが高いだけでなくずいぶん離れた所に…
相場が荒れるとVIX先物価格よりもVIX指数のほうが大幅に上がって、上にいた先物を追い越して行きます。
この性質からプレミアム/ディスカウントもVIXの、あるいは相場全体の行方を占うものとして投資指標に用いられることがあります。
この性質を利用した取引手法をバックテストした結果はこちらに
「先物プレミアムでXIV(2049)買 先物ディスカウントでVXX(1552)買」のバックテスト