用語集的なもの

コンタンゴとバックワーデーション

2016/01/31

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コンタンゴは順ざや バックワーデーションは逆ざや

先物の期近の価格のほうが、期先よりも安くなっている状態がコンタンゴ(順ざや)です。
逆に期近が期先より高いときをバックワーデーション(逆ざや)といいます。

市場が堅調な時期はコンタンゴになりやすく、波乱が起きるとバックワーデーションに変わりやすい傾向があります。
理由を以下に解説します。

コンタンゴの先物カーブ

バックワーデーションの先物カーブ

限月間価格差を生むもの

まず、なぜこの価格差が生まれるのか考えてみましょう。
(原油などの商品先物の限月間スプレッドは、原資産の管理コスト等に起因しています。 ここではVIX先物についてお話します。)

先物には期限があるため、その価値は毎日少しずつ低下しています。
もしもVIX指数がずっと動かず毎日12→12→12であった場合 、その間VIX先物は同じ値のままでなく、日ごとにじりじりと下がっているはずです。
ここで下がっているのは「時間的価値」です。

先物を有効期限のある引換券と考えると分かりやすいと思います。
「先物を買う」とは、SQまでに「先物の額と交換できる引換券を買う」ということです。
引き換える時の先物価格が、引換券の買値よりも高くなっていなければこの取引は損に終わります。
引換期限が迫れば迫るほど、それまでに先物が買値を大きく上回る可能性は低くなり、引換券は価値を失っていきます。

普段は底値付近を横ばいしていて、きっかけがなければ大きく上がることのないVIXでは、この傾向が非常に顕著に現れます。
結果、VIXの先物カーブは、多くの時期でかなり傾斜のきついコンタンゴになります。

市場が危機的な状況に陥ってVIX指数が跳ね上がると、今度は期近の買いが多く出ます。
VIXは急騰後には急落することが多く、それほど長い期間高値を保つとは考えにくいので遠い限月よりも近くのほうが人気が出るわけです。
「いつか来るスパイクに備えて買う」ではなく、「今が高いから買う」という状態です。
このとき先物カーブは、期近の方が高いバックワーデーション(逆ざや)になります。

相場状況と先物カーブ

実際のケースで確認してみましょう。

ブル相場でのVIX先物カーブ(2014年7月3日)

まず、VIXがリーマンショック以降の終値最低値をつけた2014年7月3日のVIX先物各限月の値はこうでした。

20140703のVIXカーブ

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データテーブル
20140703のVIX先物datatable
完璧なコンタンゴです。惚れ惚れします。
この時のS&Pはこんな感じでした。

20140703前後のSP500room5110

ベア相場でのVIX先物カーブ(2008年11月20日)

次に荒れたときのVIX先物各限月の値を見てみます。

2008年11月20日、VIX終値が史上最高値を記録した日です。

20081120のVIXカーブ

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データテーブル
20081120のVIXカーブdatatable

これはこれで完璧です。
この時のS&Pです。

20081120前後のSP500

room5110

まとめ

VIX先物は相場が順調なときコンタンゴに、荒れているときバックワーデーションになる傾向があります。(例外はありえます)

コンタンゴ 順ざや 期近<期先 相場○
バックワーデーション 逆ざや 期近>期先 相場×

VIX先物カーブがコンタンゴ(順ざや)かバックワーデーション(逆ざや)か。これがXIV(2049)やVXX(1552)の値動きに大きく影響しています。
「コンタンゴ」と言う要素は、VXX(1552)が減価する理由そのものです。
先物ベースのETFはすべてこの影響を受けていますが、VIX先物の限月間価格差はとても大きく、またコンタンゴの期間のほうがバックワーデーション期よりずっと長いため、VXXはVIXが横這いを続ける間もその値を下げて行きます。

VXX上場来コンタンゴバックワーデーション比率
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VXX(1552)の減価についてはこちらに
コンタンゴはなぜ減価するのか VXX(1552)が下がる理由

また、この性質をVXX(1552)、XIV(2049)の売買シグナルに利用する方法があります。

バックテストした結果はこちらに
【検証期間延長】コンタンゴでXIV(2049)買 バックワーデーションでVXX(1552)買のバックテスト
(ただし、2015年12月4日までのデータでの検証結果はその他のストラテジーに比べて良くありません)

今後、この結果順位は入れ替わるかもしれませんが、現時点では一番よかったのはこれ↓でした
【検証期間延長】先物プレミアムでXIV(2049)買 先物ディスカウントでVXX(1552)買のバックテスト

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