2015年のVXST,VXV,VXMT ー 急騰前後の色合いの違い
前回の2015年のVIX指数に続き、今度は昨年一年間のVXST、VXV、VXMTについて振り返ります。
VXST VXV VXMTについては、こちらを見てください。
VXST VXV VXMT (その他のボラティリティ指数)
Contents
4つのボラティリティ指数の2015年チャート
VXST、VXV、VXMTにVIXを加えた4つの指数の一年間です。
(すべて終値)
VXST
それぞれの指数を単独で見てみましょう。
値幅の違いを分かりやすくしたいので、縦軸を調整せず、すべて5から55までの軸にしてあります。
まず上下によく動くVXSTです。
最大値は54.61で、記録したのは8月24日です。
(VIXを含めた4指数すべてで、最高値をつけたのは8月24日でした)
最安値は5月22日の9.60、年間の平均値は16.31でした。
VXSTの歴史はまだ浅く、データがあるのは2011年からですが、2014年までの4年間の平均値は17.29なので、今年は平均すると低めです。
VIX
VIXについては、前の記事
2015年のVIX指数ー史上屈指の急騰 に詳細があります。
ここでは、4指数の動きの大きさの違いを見るため、VIXのチャートだけ入れておきます。
VXV
続いてVXVです。
だいぶ値幅が狭くなってきました。
VXVの2015年の最高値は31.14(8/24)、最安値は5月22日の14.48、平均値は18.51で、2007年から2014年までのの平均値23.72よりかなり低めです。(CBOEが公式に発表するVXVの値が存在するのは2007年12月4日からです。その日から2014年末までの平均です)
VXMT
最後はVXMTです。
下値は高く上値は低く、あまり動きません。
VXMTも2015年の最高値を8月24日に出していますが、値は27.39です。
最安値は7月17日の16.13、平均値は19.58で、これも2008年1月から2014年までの平均24.93よりも低い値になりました。
VXST VIX VXV VXMTの2015年と例年
4つの指数の2015年一年間と、2014年末までの、最高値、最安値、平均値を一覧にしました。
終値単独の値では、高値安値の記録を更新したものはありません。
高値は全指数において過去記録より低く、安値は全指数で過去記録より高く、平均はすべて2014年までの数値より低めです。
(誕生の時期が指数によって異なるため「2014年まで」の示す期間はそれぞれ違います。VXST=2011年1月3日以降、VIX=1990年1月2日以降、VXV=2007年12月4日以降、VXMT=2008年1月7日以降の2014年末までです)
VIX指数については、すべての年の最大、最小、平均値を出して順位を確認したので、参考にその表をもう一度見てみましょう。
2015年のVIXの平均値16.67は、史上15番目の高さでした(全26年のうち)
1990年以降の年毎のVIXの値
1990年以降の値を平均値順に並べ替えたもの
総合的に見ると2015年のインプライド・ボラティリティは、なべて「例年より少し低め」くらいの結果です。
8月のスパイクは存在感がありますが、あれは「急騰」というところに大きな特徴があり、年間を通じては、VIX指数の高い年ではありませんでした。
年前半の安値横這いが効いているようです。
しかし、あの急騰劇の後は、それ以前ほど低い値には戻らず、落ち着きもありません。上の4つのチャートはどれも、8月の山の左側と右側で高さも振れ幅も違います。
あれを境に相場の色合いが変わったように感じられます。利上げや原油安などがありましたが、ここへ来てまた、マーケットが揺れています。
このところ1月はやや荒れて、その後に静まる傾向があるように思います。
今年も同じことが起きているだけなのか、それとももっとマズい何かのスタート地点にいるのかは、まだ分かりません。
VIXトレーダーにとっては、暴落も悪いことではありませんが。
さて、ボラティリティに関する指数を見るとき、やはり重要なのは、それぞれの位置関係です。
次に昨年のそれを確認します。
今日はこれで。