岡崎さんの新刊Kindle「2016夏これから相場はどう動く」
2016/07/22
岡崎さんのKindle本BlackBook新刊出ました。
2016年夏 これから相場はこう動く 岡崎良介 Black Book[Kindle版]
昨年12月の2016年マーケットはどう動く 岡崎良介の投資戦略 Black Bookは、リンゴの表紙でした。今度はマスカットです。
青リンゴを予想していましたが、はずれました。無念。次はレモンを予想。
Contents
2016夏これから相場はどう動く
タイトル通り、これからの相場についてです。
岡崎さんご自身が前書きに書いているように、甘い話は全く出てきません。かといって「とにかくやばいんだから今すぐ売れ」とかそんな話でもありません。
今何が問題なのか、ひとつひとつを再確認し、その原因と影響について掘り下げて行く、冷静なスタンスで書かれた本です。
果たしてアベノミクスに成果はあったのか、マイナス金利の導入で変わる日銀と主要銀行の関係などが語られ、ここでVaR(バリュー・アット・リスク)ショック、金融システム不安の話題が出てきます。投資信託会社の運用の実際などは、馴染みがなくてイメージしにくいのですが、分かりやすく説明されてます。
詳しくは本を読んでください。
そうした中、海外勢は日本市場で何をやっているのか。
…ふーん
錬金術じゃん。
そして話題はイギリスのEU離脱へと移り、現代は常識が崩壊していく混沌とした時代だとして、ここで岡崎さんは、ちょっとギクっとすることを言います。哲学的ですらあることです。おそらく私は生涯この言葉を忘れないと思います。
章は進み、「株価の基本公式」の話になります。
これもこの所岡崎さんがちょくちょく言っている日本株のリスクプレミアムのことです。
話題には上るものの、確たる答というのは出ない、宙に浮かんだまま終わるこの件になぜこだわるのか、これを読んでようやく分かりました。
続いて為替について。何が為替を動かすのか、基本的なことながらよく分からないこの難題にオリジナルの解説がなされます。
そして、日本株とドル円の相関性の高さと日本株のボラティリティの高さ、どちらも同じある金融商品が要因となっていたという事実が明かされます。
これほどの話をこんなに分かりやすく説明してくれる人他にいるの?
とても分かりやすく書かれています。読めば分かります。分かるのですが、私は読んでノートにまとめました(笑)よりよく理解したかったからでもありますが、なんと言いますかこう…この説明に敬意を表する何かをやりたかったのです。
章の終わりに、日本株の(日本経済のと言ってもいいかもしれません)大きな弱点が挙げられ、株価の辛い宿命が晒されます。
マーケットは不可解なことだらけ。「2016夏これから相場はどう動く」は、ここ最近の相場の「?」を次々解説してきましたが、最終章でいよいよこの後の相場の予測に入ります。
はい。甘い見通しは出てこない本なので。
相当厳しい事態まで予想されています。
もしかすると岡崎さんは、英国国民投票前の一部の楽観ぶりを見て、マズい話は自分がするしかないのかな?と思って書いた…?いや、知りませんけど。
そこで、「危うい均衡を壊すもの」として3つの要素が列挙されます。
これはそのまま、要注意指標、要観察項目と言っていいかと思います。見続けるときっと良いことが!
もし前作とこちらと迷っているという場合は…
やはりこちらのマスカット本がいいかと思います。
リンゴ本もすぐに陳腐化してしまうような中味ではないので、両方お勧めですが、マイナス金利とBrexitの件は、リンゴ本の出た昨年末時点ではなかった話なので。
これ以上下がらないから大丈夫だとか、ここから上がるから大丈夫だとか言う人の話は聞かずに、下がっても大丈夫でいられるように導いてくれる人の話だけを聞くのがいいんじゃないかな?と思うのです。
みなさんそう思っているから岡崎さんが人気なのでしょう。
やられっぱなしの日本株でも、やられっぱなしの日本人じゃないよ。この国には岡崎さんがいるしね。
Kindle本の入手利用方法
は、こちらに書いてあるので参考に
付録
偶然知ってたデータを蛇足的付録に
他に同様の調査データはたくさんあると思いますが、とてもちょうどいいので
CNBC Main St. speaks out: Our top pick for president
記事は2016年3月のものです。大統領選に関するものですが、記事中でBank of Americaの調査を引用してスモールビジネスの現状が語られています。
"Small-business owners are really concerned about the economy, and only 1 in 5 feel they have recovered from the Great Recession,"
CNBC Main St. speaks out: Our top pick for president
…サブプライム破綻後の不況から回復できたと答えたスモールビジネスオーナーは5人に一人だけ?なの?
記事の元である Bank of Americaの調査レポートを見てみると
2015 — Bank of America Small Business Owner Report
Q:2008年のリセッションから回復できましたか?
調査期間:2015年3月4日~3月27日
調査対象:全米スモールビジネスオーナー1000人
(スモールビジネス=年間の売り上げ $100,000 ~$4,999,999、従業員2~99名)
記事ではスモールビジネスオーナーの大統領選支持候補についてのアンケート結果も報告されています。(別口の調査です)
ネタ元記事はここに
Trump Dominates Presidential Race for Small Business Owners
リンク先に飛ぶと2016年1月27日から2月1日の調査「共和、民主の中で、どの候補を支持するか」の結果がドーナツグラフになっていますが、これは予備選の最終結果とそう変わらず(共和党トランプ60%、民主党ヒラリー56%)今となっては見なくても大体想像のつく数値かと思います。
ここで取り上げたいのはこちらです。
Trump wins the vote of 38% of small business owners to Clinton’s 21%.
Trump Dominates Presidential Race for Small Business Owners
両党合わせてどの候補がどれだけの支持を集めていたか。予備選レースがスタートする前の調査なので、まだ候補が乱立していた中での結果です。
ふたつの調査は、別の時期に別の機関によって実施されたものではありますが、アメリカの中小企業は未だリーマンショックの衝撃から脱却しきれていないことと、中小のオーナーの間では、ヒラリーよりもトランプが強く支持される傾向のあること(2月時点)がコンパクトにまとまった記事だと思います。参考に。