【検証期間延長】XIV(2049)の10月末買い7月末売りのバックテスト
2017/08/19
Contents
バックテスト概要
VIX指数の11月頃から7月頃まで低く、秋に上昇しやすいという季節性を利用したストラテジーのバックテストです。
参考 VIXの季節性
西山孝四郎氏が「ライフワークのようなもの。損する年があっても毎年続ける」と話す「10月末買い4月末売り」のXIV(2049)版ってことです。
西山さんの10月末買い4月末売りに関するレポート
来週から10月末買いに動く・ADXと相場の転換ポイント
秋から春は相場が上がりやすいというデータを使った一種のアノマリー投資です。
株や為替の場合は、4月末に売るのがいいようですが、VIX指数には4月以降も秋口までは下がっていく傾向があるので、ここでは7月末までXIVを持ってみることにします。
検証期間
XIVの上場は2010年11月ですが、この商品はVIX先物の価格から上場前の理論値を出すことが出来るので、VIX先物の取引がスタートした2004年3月26日までさかのぼってのテストが可能になります。
今回検証するのは、2004年3月26日から2015年12月4日までです。
10月末に買いで入るのが基本ですが、2004年3月26日をXIV買いのスタートとしています。
(後々、この戦略の改善を試みることがあるかと思うのですが、その際には買い期間途中から入ることもあり得るので、その時のためです)
バックテストのルール
- ボラティリティ売りにはXIV(2049 S&P500VIXインバース)の買いを使う
- 10,000ドルからスタート
- VXXの買いはせず、XIV買いのみ
- 10月最終営業日のクローズで買い、翌年7月の最終営業日のクローズで売る
- 手数料はテストに含まない
- 8月からはノーポジで過ごして、次の10月末にそれまでのリターンを全額XIV買いにあてる
以上です。
バックテスト
リターン全額再投資のケース
比較対象としているピンクの「Buy&Hold」はXIVを買って持ち続けた場合です。
大体40倍という結果です。
2007年頃のまずさが気になりますが、全体としては良い成果だと思います。
ストップの置き方によって長期のリターンに大きな違いが出るかもしれません。
やはり、この「コンタンゴでXIVを、バックワーデーションでVXXを買う」ストラテジーには圧勝でした。
そしてやはり、検証可能全期間でテストした中でベストの結果を出した「0%先物プレミアムでXIVを、5%ディスカウントでVXXを買う」には完敗でした。
この季節性手法は、抜きん出てよいリザルトになるわけではないけれども、VIXとXIVの性質を活かしてゆったり構えることで、往復ビンタを回避できるところが長所かな?と思います。
毎年同額(10,000ドル)を投資したケース
前年までのXIV資金を全額10月末に再投資するという形式ではなく、毎年一定額(10,000ドル)で投資した場合は、下記のような結果でした。
すべて終値で取引したものとしています。
2015年は12月4日時点のリターンです。
勝率、利幅とも悪くない結果と思いますが、2006年、2007年と2度続けてマイナスになっているのがやな感じです。
2年連続で損したらもう翌年からやりたくなくなりますよね。
リターン100%超えの年がないのが、ちょっと残念。
今年がこの後どうなるのか…
ストラテジーをもう少し改造できそうでは、あります。
1552 国際のETF VIX短期先物指数、2049 S&P500VIXインバースを使う場合は、為替の影響を受けるため、結果には違いが出ます。
使用データについて
このテストに使用したVXX、XIVの上場前、VXVの公式アナウンス開始前の理論値は、Six Figure InvestingのVance Harwood氏の算出したものです。
(以前に短い期間でのバックテストに使ったデータとは異なるものです)
2004年3月26日から2011年10月3日までの価格は理論値、その後はマーケットでの終値を使っています。
2011年10月3日までを理論値としたのは、今回入手したデータはVXX、XIVだけでなく、ZIV(中期インバース)やUVXY(短期の2倍)などもあり、一番新しい銘柄であるUVXYの上場が2011年10月3日だからです。
今後、UVXY等のデータも何かに使うことがあると思うので、たとえばVXXと何らかの形で比較するなどの場合、出来るだけ同じ条件のデータを使用するのが望ましいかと思ったので。
原則的に今後はこのVance氏のデータを使っていきます。