ストラテジー

XIV(2049)の10月末買7月末売のバックテスト【2016年7月末まで版】

2017/08/19

2017年8月まで版にアップデートしてます。
XIV(2049)の7月末売10月末買バックテスト【2017年7月まで版】

2016年8月に入りました。

昨年からテストしている「XIVの10月末買い7月末売り」は、2015年10月末からの投資期間を終えました。
ストラテジーの過去パフォーマンスと、今回の9ヶ月の結果を確認します。

Contents

「XIVの10月末買い7月末売り」

VIX指数の「11月頃から7月頃まで低く、秋に上昇しやすい」という季節性を利用したストラテジーです。

参考 VIXの季節性

西山孝四郎氏が「ライフワークのようなもの。損する年があっても毎年続ける」と話す「10月末買い4月末売り」のXIV(2049)版ってことです。

西山さんの10月末買い4月末売りに関するレポート
来週から10月末買いに動く・ADXと相場の転換ポイント

秋から春は相場が上がりやすいというデータを使った一種のアノマリー投資です。

株や為替の場合は、4月末に売るのがいいようですが、VIX指数には4月以降も秋口までは下がっていく傾向があるので、ここでは7月末までXIVを持つことにしています。

2015-16年の10月末買い7月末売り

まず、最新の投資期間2015年10月末から2016年7月末までの結果を。

下は、ノーポジになる2015年8月から2016年7月のXIVとVIX指数のチャートです。
XIVを買うのは、赤い縦線の箇所、10月30日です。

XIVとVIX2015年8月から2016年7月

微妙ですが…

買いを仕掛ける2015年10月30日のXIV終値は、31.09ドルでした。
これを決済する2016年7月29日、XIVは…33.69ドル+8.36%でなんとかギリ勝ちといったところです。

ノーポジ期間に入る8月の最初の営業日(=ストラテジー上、2014-15年分の買い持ちXIVを売った翌日)2015年8月3日の終値は、48.76なので、一年持ち続けた場合(=8月初めに買って7月末に売った場合)には-30.9%という結果になります。
「秋に起きやすいVIXスパイクを避ける」と言うコンセプトが効いてはいます。ただホールド期に期待する上昇が足りませんでした。
ストップを入れる位置によっては、12月あたりで早々に刈られて終了していた可能性もあります。
昨年末から今年の春頃までのVIXの頻繁な上げに削られました。気持ちの悪い期間でした。ようやくマーケットが落ち着いてXIVは順調に上がって来たのですが、そこでBrexitが。最後の一ヶ月でよく挽回したなーという印象です。

全期間のリターンを検証

次に、昨年から今年だけでなく、検証可能な全期間の投資結果を試算してみます。

検証期間

XIVの上場は2010年11月ですが、この商品はVIX先物の価格から上場前の理論値を出すことが出来るので、VIX先物の取引がスタートした2004年3月26日までさかのぼってのテストが可能になります。
今回検証するのは、2004年3月26日から2016年7月29日までです。

10月末に買いで入るのが基本ですが、2004年3月26日をXIV買いのスタートとしています。

バックテストのルール

テストのルールを改めて書いておきます。

  • 10月最終営業日のクローズでXIVを買い、翌年7月の最終営業日のクローズで売る
  • テスト開始時(2004年3月)の投資額は10,000ドル
  • 手数料、税金はテストに含まない
  • 8月からはノーポジで過ごして、次の10月末に損益を含む投資結果の全額をXIV買いにあてる

以上です。

2004年3月26日から2016年7月29日までのリザルト

比較対象としているピンクの「Buy&Hold」はXIVを買って持ち続けた場合です。
対数目盛りを使用しています。

XIV10月末買い7月末売り20160729

スタート時の10,000ドルは458,845ドルになりました。原資の45倍、バイ&ホールドした時の181,319ドルの2.5倍ならまずまずですが、パフォーマンスに翳りが見えて来ました。

毎年同額(10,000ドル)を投資したケース

上記のテストでは、毎回の投資のリターンを含めた額を次のエントリーで全て投資しています。
そうではなく、毎年一定額の投資を繰り返した場合についても検証してみます。

毎年10月末に10,000ドル分のXIVを買うものとして試算しました。

XIV10月末買い7月末売り_毎年10000ドル_20160729

これまでの利益の累計が50,000ドルちょっと。
原資の10,000ドルと合わせて60,000ドルと、バイ&ホールドに遠く及ばない結果です。また、ここでは税金を考慮していませんが、現実には多くの年で課税されることになります。バイ&ホールドなら税金は発生しないので、毎年同額を入れるなら、最初に一度買ったまま持ちっぱなしでいたほうが結果はずっといいです。

ただ、投資スタイルや資金の性質にもよるので、それぞれのリザルトと合わせてご参考に。

付録

この他に、コンタンゴ/バックワーデーション、先物プレミアム/ディスカウント、VIX/VXVレシオに基づいた手法も同じ期間でテストしています。結果はこうです。

※スタートはすべて10,000ドル

ストラテジー 2015年8月初めの
資産額(ドル)
2016年7月末の
資産額(ドル)
過去1年増減 全期間増減
A XIV バイ&ホールド 261,241 181,319 -30.59% 1713.19%
B コンタンゴでXIV
バックワーデーションでVXX買
362,628 286,339 -21.04% 2763.39%
C 5%コンタンゴでXIV
5%バックワーデーションでVXX買
673,316 661,473 -1.76% 6514.73%
D 先物プレミアムでXIV
ディスカウントでVXX買
951,725 2,818,119 196.11% 28081.19%
E 5%以上プレミアムでXIV買い
5%以上ディスカウントでVXX買い
253,039 745,517 194.63% 7355.17%
F 先物プレミアムでXIV
5%ディスカウントでVXX買
3,272,472 7,856,682 140.08% 78466.82%
G VIX/VXVレシオ1.0以下でXIV
1.0より大きい時VXX買
1,579,876 1,620,113 2.55% 16101.13%
H VIX/VXVレシオ0.95以下でXIV
1.05以上でVXX買
1,095,544 1,277,156 16.58% 12671.56%
I VIX/VXVレシオ1.0以下でXIV
1.05以上でVXX買
2,840,323 3,278,998 15.44% 32689.98%

このテストに使用したVXX、XIVの上場前の理論値は、Six Figure InvestingVance Harwood氏の算出したものです。

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