バックテスト XIV(2049)の10月末買い7月末売り
2017/09/01
VIXの季節性では、VIX指数には11月頃から7月頃まで低く、秋に上昇するという季節性が見られることを確認しました。
そこで、秋の上昇から下がってきたところでXIV(2049)を買ってホールドし、危険な時期の近づく夏に売ってしまえばいいのではないか?というアイディアが浮かびます。
西山孝四郎氏が「ライフワークのようなもの。損する年があっても毎年続ける」と話す「10月末買い4月末売り」のXIV(2049)版とでも言うべきこの戦略をバックテストしてみます。
西山氏(石原順氏)の「10月末買い4月末売り」は、あらゆるところで話されていて、どのリンクを貼ったらいいのか悩みますが、この辺が簡潔かと。。。
来週から10月末買いに動く・ADXと相場の転換ポイント
秋から春は相場が上がりやすいというデータを使った一種のアノマリー投資です。
株や為替の場合は、4月末に売るのがいいようですが、VIX指数には4月5月と下がっていく傾向があるので、ここではもう少し後までXIVを持ってみることにします。
過去25年間のデータから、今回のテストは
XIV(2049)を10月末に買って7月末に売る
で行ってみます。
バックテストのルールはこれまでと同じように
・ボラティリティ売りにはXIV(2049 S&P500VIXインバース)の買いを使う
・10,000ドルからスタート
としますが、VXX(1552)の買いはしません。
VXXは数ヶ月単位で持つような性質のものでもないと思うので。
その他の要素とは無関係に、機械的に10月最終営業日に終値でXIVを買って、翌年7月最終営業日に決済します。(売りは「空売り」のことじゃないです)
売った後は、次の10月末までノーポジで待機し、10月最終営業日が来たら前回の利益を含む資金を再度XIVに投じるのを繰り返します。
XIVの上場は2010年11月なので、それ以前のデータはいつものVIX先物価格から算出された理論価格をもらって使います。
データは2004年分からあるのですが、以前の
コンタンゴでXIV(2049)買 バックワーデーションでVXX(1552)買
先物プレミアムでXIV(2049)買 先物ディスカウントでVXX(1552)買
VIX/VXVレシオの低いときXIV(2049)買 高いときVXX(1552)買
の3つのテストは、VXVの数値が2007年12月以前にはないことから、すべて2007年12月4日のスタートとしたので、今回も同じ日から始めることにします。
ほぼ同じ時期である2007年10月末からのほうが、このテストの趣旨には合っているのですが、10末からのほうが少しだけ良い結果だったので、あえて良くないほうを使いました。
また、今年2015年10月末の買いはもうスタートしていることになりますが、本日(2015年11月10日)までとなると、あまりにも半端なので、そのデータは入れていません。
よって
今回のテスト期間は、
2007年12月4日(10月末買いの途中段階)から
2015年7月末のXIV決済まで
となります。
もう説明いいから早く結果教えろって気分ですか?
そうじゃないかと思ったんですよ。
私も早く言いたいんですけどね。
ところでこの前友達の家の犬が…
すみません。結果行きます。
いやあ、ほんの21倍ですよ。
って、まぢ?
はじめる前は、Buy&Holdに勝てるかどうかが問題と思っていたのですが、大きく上回って10,000ドルが219,733ドルになりました。
米国株にはテンバーガーも数多くあります。
それにこのテスト結果は、たとえば ↓ の
「VIX/VXVレシオが、1.0以下の時XIVを買い、1.05以上の時VXXを買う」
の76倍には、大きく水をあけられています。
でも
これは、実にシンプルで最小限の取引回数(=最小限の取引手数料)で済み、買ってストップを置いたら後は7月まで忘れていていい方法なのです。
サブプライムもリーマン・ショックも無視してこの結果なのです。
XIV、2049の場合は前日終値比-80%で早期償還になるので、あまりにも急激に相場が荒れた時は思い出してください(笑)
さらに注目してほしいのは
最も一般的と思われるこの
「コンタンゴでXIVを買い、バックワーデーションでVXXを買う」
に圧勝しているってことです。
前に3種のバックテストをした際どうしても付きまとってきた「ここ1、2年のパフォーマンスの悪さ」も自然に解消していて、これが一番喜ばしいポイントかと思います。
上述では、毎年、前年までのXIV資金を全額10月末に再投資するという形式で検証しましたが、毎年一定額(10,000ドル)で投資したらどうなるのかも調べてみました。
すべて終値で取引したものとしています。
(XIVの値は株式分割分を調整したものです)
こちらは2004年から全期間11回すべて試算しました。
ベア相場だったところは、やっぱりダメですね。
とはいえ2008年でも、10月末に買った場合にはプラスで終わることができていて、これは、なかなかだと思います。
Buy&Holdだけでなく、コンタンゴ/バックワーデーションを基準にする売買をも上回って、個人的には想像以上の結果でしたが、いかがでしょう?
ただ
今年2015年は利上げの件があり、普段と違うことがあるかもしれません。
為替と株価指数を毎年10月末に買うという西山氏は、「この戦略ではレバレッジはかけない」と話しています。
「必ずストップを入れてください」とも。
2049 S&P500VIXインバースを使う場合には、為替の影響を受けるため、結果には違いが出ます。
では本日の付録です。
2004年10月末から2015年7月末まで、前回までのリターン全つっこみ方式を繰り返した場合の結果
2004~2005年の利益が効いて、一度も元本割れせずに34万ドルに到達しています。
さらに付録
怖いもの見たさってありますよね。
VXXを毎年7月末に買って10月末に売ったら…
2004年から2015年までを検証
意外に健闘していてビビリます。
やはり7-10月はXIV(2049)は持たないか、ポジを縮小するかにしたほうがいいのかも知れません。
もしかして付録が一番役に立ったかも?(笑)